iPadの売れ行き初速はiPhoneの約3倍,ハイビジョン・レコーダはW杯日本代表の活躍に期待
 新聞・出版および調査サービスの会社であるBCNは,全国大手家電量販店23社,2365店舗(2010年5月現在)のPOSデータを集計した「BCNランキング」を分析し,ディジタル家電やパソコン関連商品に関する市場動向を発表した.

 2010年5月28日に国内での発売を開始したiPadについて,発売から10日間の販売累計台数がiPhone 3Gの場合の約3倍になったと発表した.通常,人気商品は発売後在庫切れとなり伸び悩むことが多いが,iPadは比較的スムーズに伸びが続いたもよう.Wi-FiモデルとWi-Fi+3Gモデルの2種類があったことが効いたようだ.

 iPadでもっとも販売台数が多かった機種は,Wi-Fi+3Gモデルの最上位機種にあたる64GBタイプである.10日間の合計販売台数のうちの35.2%を占めており,いちばん高価なモデルがいちばん売れているという結果になった.なお,今回調査した販売台数には,Softbank ShopやApple社の直販店で販売した台数は含まれていない.

 デジタル・カメラは,レンズ一体型(コンパクト),レンズ交換型(一眼など)の両方とも,販売台数や金額が前年同月比でプラスになってきている.特にレンズ交換型は,2010年1月に販売台数指数が147.7(前年同月比),販売金額が140.9(前年同月比)と活況を呈している.この要因としては,ミラーレス・カメラに参入するメーカが増え,モデルが増えたことにより,市場のパイが広がったのではないかと考えられるという.実際に,2010年5月31日の週におけるミラーレス・カメラの販売台数は,レンズ交換型の29.9%を占めている.

 薄型テレビは,2010年4月1日からエコポイント制度の対象商品の基準が変更されたことに伴って3月に特需があったが,4月以降は落ち着いた動きになっている.レコーダはエコポイント制度の対象商品ではないが,テレビと合わせて売れる傾向があり,3月には販売台数が伸びた.2010年6月11日〜7月11日に開催される「2010FIFAワールドカップ」は開催地である南アフリカ共和国と日本で時差があるため,日本代表の活躍によってはレコーダの特需が期待できるという.

(c)2010 CQ出版