Mentorが2010年3月に買収したValor社のプリント基板用DFMツールを改版,製造リスク評価機能などを強化
 米国Mentor Graphics社は,2010年3月に買収したValor Computerized Systems社のプリント基板用DFM(Design for Manufacturability)ツール「Valor Enterprise 3000」の後継製品「vSure version 9.0」を発売する.本DFMツールは,700以上の項目をチェックする一種の検証ツールである.設計時に利用する設計ルール・チェッカは主に電気的な制約をもとに設計データをチェックする.これに対してDFMツールは,プリント基板の製造時や部品実装時の制約,歩留まりを改善するための条件,実装部品が放熱の影響を受けないための条件などを考慮して設計データをチェックする.データベースにはオープンなCAD/CAM交換フォーマットであるODB++を採用している.

 今回のバージョンから,名称を「vSure」に変更した.製造リスク評価の機能については,問題の深刻度や基板上の位置,パッド・スタックの種類,パッケージ番号,部品番号などの項目を俯瞰的に示したり,各項目をソートしたりしやすくなった.また,設計データの登録から解析結果の出力までの一連の手順をガイドするウィザード,解析ルールをデザイン・センタや製造メーカごとに設定できる管理機能などを用意した.

 同社は,2010年6月2日〜6月4日に東京ビッグサイトで開催されるJPCA Show 2010/第12回 実装プロセステクノロジー展において,実装工場向けの生産管理ツール「Valor MSS」を発表することも明らかにした.これまで,Valor社からvPlan,vManage,vCheckとして個別に販売されていたツールを統合した.実装工場のフロアの全情報を一つのデータベースに格納する.DFM解析のほか,生産計画や生産管理,在庫管理,品質管理などを支援する.

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