Synopsys,Virtex-6を搭載した最大1800万ASICゲートのプロトタイピング・ボードを発売
 米国Synopsys社は,米国Xilinx社のFPGA「Virtex-6(XC6VLX760)」を搭載したプロトタイピング・ボード「HAPS-60シリーズ」を発売した.FPGAを四つ搭載した「HAPS-64」,二つ搭載した「HAPS-62」,一つ搭載した「HAPS-61」の3機種を用意する.実現可能な論理回路規模は,それぞれ1800万ASICゲート,900万ASICゲート,450万ASICゲート.複数のボードを組み合わせてさらに大規模な論理回路を実現することも可能.

 ディジタルLSIの開発において,ファースト・シリコンと呼ばれる1回目の試作チップで不具合が見つかった場合,その原因の約6割は論理や機能のエラーにあると言われている.プロトタイピング・ボードは,こうした論理や機能のエラーをチップの試作前に検証するためのFPGAボードである.従来,同社はVirtex-5を搭載したプロトタイピング・ボード(HAPS-50)を出荷していた.今回の機種は従来の機種と比べて,1ボード当たりの回路規模が約2倍になり,動作速度は15%速くなったという.

 また,FPGA間の信号をシリアル伝送によって送受信する方式を採用した.一つのFPGAで実現できる論理回路規模は年々増大しているが,FPGAの最大I/O数は頭打ちになっている.そのため,複数のFPGAを搭載したプロトタイピング・ボードでは,FPGA間で受け渡す信号数の上限がボトルネックとなり,大規模な回路を複数のFPGAにうまくマッピングできないケースが増えている.本プロトタイピング・ボードでは,FPGA間の信号をパラレル-シリアル変換し,時分割したシリアル信号として伝送している.FPGA間の信号をパラレル-シリアル/シリアル-パラレル変換する回路は,付属する開発環境が自動生成する.このほか,FPGAの内部をネットワーク経由で遠隔地の開発拠点からモニタできる機能(Universal Multi-Resource Bus)や,ホスト・パソコンのシミュレーション・モデルやテストベンチとトランザクション・レベルのインターフェース(SCE-MI 2.0)によって接続する機能などを備えている.

 現在,特定のユーザにHAPS-64を提供している.一般ユーザについては,HAPS-64は2010年7月に,HAPS-62は同年8月に,HAPS-61は同年第4四半期に出荷を開始する予定.

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