Numonyx,Intelと共同開発した積層型相変化メモリの詳細を12月のIEDMで発表
 スイスNumonyx社は,事業戦略に関する説明会を2009年11月6日に都内で開催した.同社の社長兼最高経営責任者(President & Chief Executive Officer)であるBrian Harrison氏が製品戦略,フラッシュROMの市場概況,同社のグローバル戦略,および日本市場における取り組みについて説明した.

 その中で,同社が2009年10月29日にIntel社との共同開発を発表した積層型の相変化メモリ(PCM:Phase Change Memory)の概要を紹介した.相変化メモリとは,結晶構造を変化させることによって情報を記録する不揮発メモリである.従来のフラッシュROMよりも読み出し/書き込み速度が速いという特徴がある.同社では2008年2月より128Mビット品のサンプル出荷を開始している.

 積層型の相変化メモリの技術の詳細は,2009年12月9日に米国メリーランド州Baltimoreで開催されるIEDM(International Erectron Device Meeting)にて発表する.また,書籍「Stackable Cross Point Phase Change Memory」として出版される予定.同氏によると,積層型の技術を実用化できるまでにあと数年かかるという.

 フラッシュROMの市況については,昨今の長期的な景気後退に伴って,供給会社の市場撤退などに起因する受給バランスの不均衡が発生しているものの,2009年2月ころから徐々に回復してきているという.同社では,携帯機器向けと組み込み機器向けの市場に注力しており,2009年第2四半期はNOR型フラッシュROM市場のシェアで1位,フラッシュROM市場全体で3位になったという.

 イタリアやイスラエルに保有する自社ファブの製造技術を強化する一方で,同社は韓国Hynix社との中国での合弁事業を進めている.また,エルピーダメモリとはファウンドリ契約を結んでいる.このように設備投資へのリスクや市場の急激な需要の増減に対応し,堅実に資産を活用していくことを説明した.

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