ゼットエムピー,自律走行ロボットの形態をした開発環境を発売
 ゼットエムピーは,自律走行ロボットの形態をした開発環境「RoboCar(ZMP-RC-Z)」を発売した.RoboCarは,次世代自動車に要求される安心・安全技術や自律走行などのカー・ロボティクス,リチウム・イオン電池や燃料電池,電気駆動技術などの環境技術を実現することを目指して,主に大学や公的研究機関,自動車関連メーカなどに研究・開発・教育用機材として販売される.本開発環境の製品化にあたっては,レグラスとNECエレクトロニクスが協力した.

 本システムは,NECエレクトロニクスの高並列プロセッサ「IMAPCAR」を採用した画像認識モジュールや,1軸ジャイロ・センサ,3軸加速度センサ,4輪独立ロータリ・エンコーダ,駆動モータ軸ロータリ・エンコーダなどの内界センサ,ステレオCCDカメラ(VGA,30フレーム/s),8個の赤外線測距センサ,レーザ・レンジ・ファインダ(オプション)などの外界センサを搭載する.障害物認識・回避走行,白線検知といった外界環境の認知・制御を行う.このほか,Wi-Fi規格(IEEE 802.11b/g/n)に準拠した通信モジュールを搭載し,無線によるリモート・コントロールなども行える.

 本開発環境では,本体にOSとしてLinuxを使用し,ユーザが独自のアプリケーションを搭載することができる.また,API仕様をオープン・ソースとして公開している.ユーザはMATLAB/Simulinkを使用して制御の実験なども行える.具体的な使用例には,障害物回避アルゴリズム検証や群制御,インフラ協調,レーン追従,標識・信号認識などがある.また,他人の運転経験をネットワークにより自動車間で共有するといったヒューマトロニクスなどの応用も想定する.

 外形寸法は,実車の1/10で,長さ429cm×幅195cm×高さ212.2cm.重量は約3kgで,最大1kgまで追加積載が可能.

 2009年6月末より出荷を開始する予定.RoboCarに搭載される画像認識モジュールについても既に受注を開始している.

■価格
598,000円(RoboCar 外装なし,国内価格),1,298,000円(RoboCar 外装あり,国内価格),399,000円 (画像認識モジュール,アカデミック価格)

■連絡先
株式会社ゼットエムピー
TEL:03-5802-6901

(c)2009 CQ出版