Synopsys,最近の複雑な設計制約やガイドラインを反映したSoCの設計プロセス/データ管理ツールを提供
 米国Synopsys社は,低消費電力設計や製造容易化設計(DFT:Design for Manufacturability)など,システムLSI開発時に求められる複雑な設計制約や設計ガイドラインを反映した設計プロセス/データ管理ツール「Lynx Design System」を発売した.従来,LSIの設計では開発ツールを購入したあと,ライブラリをそろえたり,自社の設計手法に合わせて開発ツールをカスタマイズしなければならず,新しいツールの導入にあたっては,かなりの準備期間を見込んでおく必要があった.本管理ツールは,こうした準備期間の短縮を目指している.システムLSI設計によく使われる標準的なライブラリやチェック・ツールがあらかじめ用意されており,例えば5日間程度のトレーニングを受ければすぐに設計ツールを使い始めることができるという.

 本管理ツールは,機能検証や低消費電力設計,製造容易化設計,IPコア利用などの標準的なガイドライン(例えばARM社やSynopsys社が提供しているリファレンス・マニュアルなど)に基づいて設計者の作業をガイドする機能,スクリプトによる設計ツールの自動実行の順序を対話的に定義する機能(Runtime Manager),設計データのバージョン管理機能,負荷分散のためのジョブ投入管理機能を備えている.また,設計管理者が設計メトリックス(面積や消費電力,タイミング・マージン,テスト・カバレッジなどが目標値にどれだけ近づいているかを示すグラフや表など)を用いてプロジェクトの進捗状況を確認する機能(Management Cockpit),使用するライブラリやテクノロジ・ファイルに不具合がないかを設計の開始前にチェックする機能,作成された設計データがファウンドリの要求する設計ルールや設計ガイドラインに適合しているかどうかを設計終了後(テープアウト時)にチェックする機能なども用意する.

 本管理ツールは,32nm〜180nmのシステムLSIの開発に利用された実績がある.同社は,本管理ツールを販売するほか,本管理ツールに基づくLSI設計環境のカスタマイズ・サービスや,顧客のシステムとの統合サービスなども請け負う.

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