Wind River,リアルタイムOS の新バージョンでAMPとSMPの両マルチコア構成に対応
 米国Wind River社は,同社のリアルタイムOSの新バージョン「VxWorks 6.7」を2009年2月に出荷した.新バージョンでは,主に以下の三つの機能が強化された.

 一つ目は,AMP(Asymmetric Multiprocessing;非対称型マルチプロセシング)とSMP(Symmetric Multiprocessing;対称型マルチプロセッシング)の両マルチコア構成に対応できるようにした.各CPUコアをそれぞれの上で動作するOSが個別に管理するAMPでは,共有メモリを使ったMIPC(Multicore Inter Process Communication;マルチコア向けプロセス間通信)やマルチコアに対応したデバック機能などが強化された.また,複数のCPUコアを一つのOSが管理するSMPでは,待ち行列を一つにまとめるスケジューラ処理の負荷を軽減した.そのほか,インライン・セマフォやSpinlockの採用など,共有資源へのアクセス管理機能を改善したという.なお,AMP環境とSMP環境はオプション・パッケージ(ライブラリ)として提供する.

 二つ目は,VxWorksソース・ビルド機能や多重化仮想記憶機能(仮想メモリ領域を増やし, Run Time Processを用いて使用可能なメモリ空間を増やす機能)など,OSのカーネル本体の機能を強化した.

 三つ目は,WiMAXやLTE(Long Term Evolution)に対応したネットワーク機能の追加である.ワイヤレスや,セキュリティ,認証,暗号化といった市場の要求に対応したという.

 また,デバックやコード分析,コード検証に利用するEclipseベースのソフトウェア開発環境「Workbench 3.1」も同時に出荷した.Workbench 3.1には,新機能として「ダイナミックprintif」が追加された.これにより,プログラミングの途中でデバック・コードを挿入し,処理することが可能となった.

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