Broadcom,1アンテナでIEEE 802.11a/b/g/nとBluetooth,FM送受信を実現できる無線処理LSIを発売
 米国Broadcom社は,IEEE 802.11a/b/g/n(Wi-Fi)とBluetooth,FM送受信などのインターフェースを1アンテナで実現できる無線処理LSI「BCM4329」を発売した.同社は従来携帯電話向けに,IEEE 802.11a/b/gとBluetooth,FM受信などのインターフェースを備えた「BCM4325」や,BluetoothとFM送受信などのインターフェースを備えた「BCM2049」などを提供していた.本LSIはBCM4325にIEEE 802.11nの無線通信機能とFM送信機能を追加した.また消費電力をBCM4325と比べて約40%低減したという.携帯電話などへの利用を想定している.

 携帯機器においては,実装面積や消費電力,処理性能の観点から,複数のアンテナを使ったIEEE 802.11nの無線通信機能を実現することが難しい.そこで本LSIでは,一つのアンテナを使って,シングル・ストリームのIEEE 802.11nを実現できるようにした.IEEE 802.11nは,STBC(Space-time Block Coding;時空間符号化)と呼ばれる符号化方式を使うことで,シングル・ストリームにおいても,IEEE 802.11gよりデータ転送効率を向上できる.これによりTCP/IPレベルのスループットで50Mbpsを実現できたという.これは従来品であるBCM4325で実現したIEEE 802.11gの場合と比べて約2倍のスループットに相当する.

 本LSIは2.4GHz帯と5GHz帯のCMOSパワー・アンプを内蔵しており,アンテナからロー・ノイズ・アンプ(LNA)やフィルタを通過させたRF信号をそのまま入力できる.内部電源などの生成を行う電源管理機能を備えているので,3.3V単一電源で動作する.現在,特定のユーザに限ってサンプル出荷を行っている.2009年には量産出荷を開始する予定.

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