TZero Technologies社,データ転送速度が最大300MbpsのUWB無線チップセットを発売
 米国TZero Technologies社は,データ転送速度が最大300MbpsでWiMedia準拠のUWB(Ultra Wideband)無線処理チップセット「TZR7200」,「TZB7200」を発売した.TZR7200はRFのフロントエンド処理を,TZB7200はA-D/D-A変換や変復調処理,およびMAC(Media Access Control)処理を行う.またTZB7200はMIPSコアを搭載しており,プロトコル処理などを実装できる.DVDレコーダやディジタル・テレビなどに組み込むことを想定している.

 本チップセットは,外部にH.264 CODECを用意すれば,データ転送速度が最大3.4GbpsのHDMI 1.3a信号を利用して,60フレーム/sの1080p映像を転送できる.一般にHDMI 1.3a信号をH.264を用いて圧縮すると80M〜100Mbps程度の転送速度が必要だが,本チップセットは約20mの距離でこの転送速度を確保できるという.従来品は半分の性能に当たる30フレーム/sの1080p映像(もしくは60フレーム/sの1080i映像)までしか対応できなかったが,CODECの変更やソフトウェアの改良により性能を向上した.また本チップセットではファームウェアを利用して,無線の通信状況に応じて圧縮アルゴリズムをダイナミックに切り替えられる.例えば,人がテレビの前を横切っても通信が途切れにくいという.

 TZB7200は外部インターフェースとして,PCIバスやTS,UART,I2C,GPIO,JTAGなどを備える.暗号方式であるAES(Advanced Encryption Standard)処理に対応する.

 国内の販売代理店はPALTEK.評価ボードを50ドル以下で用意する予定.TZB7200に搭載されたMIPSコア用のプロトコル・スタックなども提供可能という.

■価格
50ドル以下(チップセット)

■連絡先
TZero Technologies社
E-mail:sales@tzerotech.com

(c)2008 CQ出版