ゼットエムピー,研究機関に対して二足歩行ロボットのソース・コードやAPI,回路図を公開
 ゼットエムピーは,同社が家庭向けに開発・販売している二足歩行ロボット「nuvo」のソース・コードやAPI(Application Programming Interface),回路図などを公開する「nuvoソースコード公開プログラム」を開始する.これは,大学や研究機関などに対して技術情報を公開し,研究成果を共有することにより,ロボット教育や研究開発の促進を狙ったものである.

 まず手始めに,ロボットの分解や調整に関する3日間の講習と,ソース・コードなどの技術情報を一つのパッケージとして,50セット限定で販売する.本パッケージを購入したユーザとそれぞれ秘密保持契約を結ぶ.また,研究目的のコミュニティを立ち上げ,コミュニティ内で研究成果を共有できる仕組みを構築する.

 本ロボットは,ジャイロ・センサや加速度センサ.カメラ,無線LANデバイス,Ethernetコネクタ,赤外線送受信機能などを内蔵する.制御システムは,SH-4を搭載したメインCPUモジュールと,モータ・ドライバ・モジュールやセンサ・モジュールをCAN(Controller Area Network)で接続した分散制御システムとなっている.メインCPUモジュール上のソフトウェアは,Windows CE.netカーネルのほか,同社が開発した制御モジュール・ソフトウェアやアプリケーション・ソフトウェアで構成される.今回の公開プログラムでは,同社が知的財産権を持つすべてのソース・コードを公開するという.

 実は,「研究開発を促進するためにソース・コードを公開したい」という意見は,以前からあった.家庭用ロボットとしてのキラー・アプリケーションがなかなか出てこない中,1社で開発を進めるのは限界があると判断し,今回,公開に踏み切ったという.

 既に最初のユーザとして,東京工科大学の松尾研究室と関口研究室が10台購入することを決定した(なお,この10台は,上記の50台には含まれない).東京工科大学 コンピュータサイエンス学部 教授の松尾 芳樹氏は,「これまでロボットに興味を持つのは,メカが好きな機械工学科の学生が圧倒的に多かった.しかし,情報系の学生がキラー・アプリを生み出す可能性も大いにある」と期待する.まずは情報系の学生に,nuvoのプログラムを書いてロボットを動かしてもらい,ロボット技術への関心を深めてもらおうと考えている.

■価格
257,250円(nuvo本体,3日間の講習,ソース・コード,ソフトウェアAPI,回路図,コミュニティ参加IDを含む)
89,250円(3日間の講習,ソース・コード,ソフトウェアAPI,回路図,コミュニティ参加IDを含む)
168,000円(nuvo本体 1台,本プログラム向けの特別価格)

■連絡先
株式会社ゼットエムピー
TEL:03-5738-4855
E-mail:info@nuvo.jp

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