IBMなど7社,32nm世代のHigh-kメタル・ゲート技術を利用したLSIの試作を完了,評価キットの提供を開始
 米国IBM社など7社は,32nm世代のHigh-kメタル・ゲート(高誘電率ゲート絶縁膜)技術を利用したLSIの試作と動作確認を完了した.IBM社の持つ45nm世代のPolySiON技術で製造した場合と比較して,動作速度が最大35%向上し,消費電力が30〜50%低減することを確認した.

 2008年4月4日より,評価キットの提供を開始している.評価キットには,テクノロジ設計マニュアル,設計および電気的特性確認ルール,Spiceモデルなどが含まれる.試作サービス(いわゆるシャトル便)の第1回のテープアウトは2008年9月30日に,第2回は2008年12月15日に行う予定.第1回の予約については,すでに満員状態になっているという.

 今回の共同開発に参加しているのは,IBM社のほか,シンガポールChartered Semiconductor Manufacturing社,米国Freescale Semiconductor社,ドイツInfineon Technologies社,韓国Samsung Electronics社,STMicroelectronics社,東芝である.従来,ゲート絶縁膜の材料としてSiO2が利用されてきたが,リーク電流の増加に伴って,微細化(ゲート絶縁膜の薄型化)に限界が来ていた.これに対してHigh-k材料を用いれば,ゲート絶縁膜を厚くできる.そのため,本技術は22nm世代のLSI製造にも適用可能.また,High-kメタル・ゲート技術には,従来のCMOS製造プロセスを変更することなく,そのまま活用できるという利点もある.

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