Intel,Atomプロセッサの詳細を発表
 米国Intel社は,携帯機器向けに開発した小型で消費電力の低いプロセッサ「Atom」の詳細を明らかにした.ダイ・サイズは25mm2,パッケージの外形寸法は13mm×14mm×1.6mmで,同社のプロセッサの中で最小であるという.45nmのHigh-K CMOSプロセスで製造した.搭載するトランジスタの数は4700万個.消費電力を大幅に削減するため,CPUコアから新規に設計し直したという.

 従来の同社のプロセッサ(Centrino技術を利用)のTDP(熱設計電力)は20W.一方,本プロセッサのTDPは0.6〜2.4W.平均消費電力は160mW〜220mW.稼動状況に応じて細かく消費電力を管理するDeep power down(C6)技術を適用した.

 今回,消費電力を削減するためにチップセット(System Controller Hub)も新たに設計し直した.HD動画のデコード機能を備えている.PCI Express(2ポート),USB 2.0ホスト(8ポート),USB 2.0ターゲット(1ポート),SDIO/MMC(3ポート)などのインターフェースを備えている.

 Intel社 ウルトラモビリティー事業部 フェロー&チーフ・アーキテクトのティッキー・タッカー氏は,「プロセッサの性能は今や動作周波数ではなく,例えばWebページを表示するなどの実行速度によって競うべきだ」と主張した.また,携帯機器でWebページを表示する際に,パソコンと同じOSやブラウザ,Flash Playerを搭載できる同社のプロセッサの優位性を強調した.

 Atomプロセッサを搭載した機器が各社から発売されるのは2008年夏ごろになる見込み.クラリオン,東芝,富士通,松下電器産業の各社は,Atomプロセッサを搭載した携帯型インターネット機器(MID;mobile internet device)の発売を予定している.NECは,Atomプロセッサをタッチパネル・ディスプレイ一体型コンピュータにも搭載する.

■価格
4530円〜16110円(CPUとチップセットを合わせた1,000個受注時の価格)

■連絡先
インテル株式会社
TEL:03-5223-9100

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