組み込みﾆｭｰｽ2007.11.20

TOPPERSﾌﾟﾛｼﾞｪｸﾄ,ASPｶｰﾈﾙなどの開発ﾛｰﾄﾞﾏｯﾌﾟを公開

　NPO法人であるTOPPERSﾌﾟﾛｼﾞｪｸﾄは,2007年11月14日に組み込み向けﾘｱﾙﾀｲﾑOS｢TOPPERS｣の開発ﾛｰﾄﾞﾏｯﾌﾟを公開した．これまでTOPPERSﾌﾟﾛｼﾞｪｸﾄは｢μITRON4.0ｽﾀﾝﾀﾞｰﾄﾞ･ﾌﾟﾛﾌｧｲﾙ JSPｶｰﾈﾙ｣を中核OSと位置づけてｼﾘｰｽﾞ展開を行っていた．しかし今後は,次期主力OSであるASPｶｰﾈﾙを中心に据え,これを改良していく．ASPｶｰﾈﾙは,JSPｶｰﾈﾙに対して信頼性や安全性,ｿﾌﾄｳｪｱ移植性向上のための各種拡張および改良を行ったｶｰﾈﾙである．

　ASPｶｰﾈﾙをﾍﾞｰｽに,今後はｺﾝﾎﾟｰﾈﾝﾄ･ｼｽﾃﾑ対応の｢TECS｣,ﾏﾙﾁｺｱ対応の｢FMP｣,機能安全対応,動的ｵﾌﾞｼﾞｪｸﾄ対応,ﾒﾓﾘ保護,省ｴﾈﾙｷﾞ制御などの機能を持つｶｰﾈﾙを開発していくという．

　また,保護機能を備えたOSの実証実験についても報告した．時間保護やﾒﾓﾘ保護の機能を持つTOPPERS/OSEKをｶｰﾄに搭載し,実証実験を行った．実験においては,FPGAにMPU(Memory Protection Unit)を搭載したﾏｲｺﾝを実装し,その上でTOPPERS/OSEKを動作させた．

　また,ﾘｱﾙﾀｲﾑOS対応のCAN/LIN通信ﾐﾄﾞﾙｳｪｱ･ﾊﾟｯｹｰｼﾞや,TOPPERS NonOS対応CAN/LIN通信ﾐﾄﾞﾙｳｪｱなども発表した．