NECエレクトロニクス,オーディ処理用CPUコアや画質調整回路を搭載したディジタル・テレビ向けLSIを発売
 NECエレクトロニクスは,ディジタル・テレビ向けLSI「EMMA2TH」のサンプル出荷を開始した.同社はこれまで,MPEGデコード機能や動画・静止画の表示機能,制御用CPUなどを搭載したディジタル・テレビ向けLSI「EMMA2HL」を出荷している.今回,オーディオ処理専用のCPUコアや画質調整回路なども併せて集積した.日本のハイビジョン規格であるARIB(Association of Radio Industries and Businesses)と,北米のハイビジョン規格であるATSC(Advanced Television Systems Committee)に対応する.

 本LSIは,合計四つのCPUコアを内蔵する.すなわち,アプリケーション・ソフトウェアやOSなどを実行するMIPS VR5500プロセッサ・コア,システム制御(ファームウェア実行)用のMIPS32 4KEcプロセッサ・コア,および2個のオーディ処理用CPUコアである.MIPS VR5500プロセッサ・コアの327MHz動作時の処理性能は654MIPS(million instructions per second),MIPS32 4KEcプロセッサ・コアの196MHz動作時の処理性能は236MIPS.

 複数の動画信号を同時にデコードできる.例えば,BS放送と地上デジタル放送の2放送を同時に受信することが可能.画質調整回路は,明るさやコントラストの調整,特別な色を強調する特色補正,3次元ノイズ除去などの機能を備える.

 メモリ・インターフェースとして,最大256Mバイトの容量に対応するDDR2メモリ・インターフェースと,最大64Mバイトに対応するフラッシュROMインターフェースを搭載する.また,4チャネルのストリーム・インターフェースを備えるMPEGトランスポート・ストリーム処理回路,MPEG-2 MP@HLに準拠するビデオ・デコード回路,MPEG-1/2 Audio Layer I/IIやMPEG-2 ACC(Advanced Audio Coding),SPDIF出力に対応するオーディオ制御回路,2次元BitBlt(ビットマップ・ブロックの高速転送処理)に対応するグラフィックス回路,256階調アルファ・ブレンディングや画像の拡大・縮小などに対応する画像表示回路などを搭載する.さらに外部インターフェースとして,32ビット幅,33MHz動作のPCIインターフェース,SmartCardインターフェース,I2Cインターフェース,同期シリアル・インターフェース,各種タイマなどを内蔵する.

 本LSIは,2007年4月〜5月に発表されたソニーの液晶ディスプレイ・テレビ「BRAVIA」に採用されている.

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