Intel,マルチコア対応のC++コンパイラを発売
 米国Intel社は,x86系のマルチコア・プロセッサに対応したC++コンパイラ「インテル C++ コンパイラー 10.0 プロフェッショナル・エディション」を発売した.今回のバージョンアップでは,同社のマルチコア・プロセッサであるCore 2 Duoなどを効率的に利用することを目的とした強化がなされている.

 コンパイラには,マルチコアによる並列実行度を高めるためのライブラリ「スレッディング・ビルディング・ブロック(TBB)」が含まれる.従来,マルチコアで効率的にCPUを使うためには,プログラマが処理内容を明示的にスレッドに分割するマルチスレッド・プログラミングを行なう必要があった.TBBを利用すると,自動的に内部でスレッドを生成して並列実行を行うため,プログラマはスレッドを意識する必要がなくなる.TBBはC++のテンプレート・ライブラリの形式で実装されている.例えば「ループを行なうテンプレート」を使う場合,ループ内の処理を記述するだけで,処理内容をスレッドに割り当てて並列実行する.また,TBBは独自のスケジューラを持っており,キャッシュ・メモリを効率的に利用するため,同じコアに同じスレッドを割り当てるなどの処理を行なえる.

 Intel社 Global Business Development, DirectorのPhil De La Zerda氏は,「マルチコア・プロセッサを生かすためにはソフトウェアも並列化しなければならない.マルチコアは今後主流になり,デスクトップ・パソコン以外にもモバイル機器環境でも使われるユビキタスなものになる」と語り,同社がマルチコアを推進していくことを強調した.

 対応OSはWindows,Linux,Mac OS X.国内における販売は,エクセルソフトが担当する.

■価格
89,985円

■連絡先
エクセルソフト株式会社
TEL:03-5440-7875
E-mail:xlsoftkk@xlsoft.com

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