Altera,同社の従来品と比べて集積度が2倍,消費電力が同程度のFPGAを発売,65nmプロセスで製造
 米国Altera社は,65nmプロセスで製造するFPGA「Stratix IIIファミリ」を発売する.本FPGAは,従来の90nmプロセスで製造するStratix IIと比べて,2倍の集積度と,25%の高速化を実現している.一方,消費電力は同程度にとどめたという.

 同社は,消費電力を抑えるために,「プログラマブル・パワー・テクノロジ」と呼ぶ技術を導入した.論理ブロックごとに,高速モード,低消費電力モード,未使用モードを選択できる.高速化のボトルネックになるクリティカル・パスに関連する論理ブロックには高速モードを,速度が重要でない論理ブロックには低消費電力モードを,使用していない論理ブロックには未使用モードを割り当てる.これにより,動作速度を低下させずに消費電力を抑えられるという.低消費電力モードではFPGAのコア電圧を制御している.また,未使用モードでは論理ブロックへのデータやクロックの供給を止めている.

 本FPGAファミリには,汎用の「Logic」,多くのメモリやDSPをもち,ワイヤレス信号処理や画像処理に向く「Enhanced」,高速トランシーバ回路を備え,通信機器やストレージ機器に向く「GX」の三つのサブファミリがある.また,本FPGA用の設計データによって発注できるストラクチャードASIC(HardCopy)も用意する.

 同社は同時に,Stratix IIIに対応するFPGA開発環境「Quartus II デザイン・ソフトウェア・バージョン6.1」も発売する.消費電力を考慮して,論理ブロックのモードを自動的に割り当てる「PowerPlay」と呼ぶ機能を備えている.また,論理ブロックのモードを個別に設定することも可能.

 Quartus II デザイン・ソフトウェア・バージョン6.1は,2006年12月5日よりダウンロードが可能となる.Logic,Enhancedの各サブファミリのES(エンジニアリング・サンプル)は,2007年第3四半期に出荷を開始する.GX,HardCopyのサンプルの出荷時期については,後日発表するという.

■価格
549ドルから(Stratix III EP3SL150,1,000個購入時の単価)
2,000ドル(Quartus II,1年間のライセンス料金)

■連絡先
日本アルテラ株式会社
TEL:03-3340-9480

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