BCNがディジタル家電やパソコン関連商品の年末商戦を予測,薄型テレビの需要の中心は32〜37インチ型
 新聞・出版および調査サービスの会社であるBCNは,全国大手家電量販店22社,2278店舗のPOSデータを集計した「BCNランキング」の分析に基づいて,ディジタル家電やパソコン関連商品に関する2006年の年末商戦の動向を予測した.薄型テレビ,DVDレコーダ,デジタル・カメラ,パソコン,プリンタ,ディジタル・ビデオ・カメラについて,それぞれの景況予測を行った.

 薄型テレビについては,旧モデルの低価格化は続くが,2005年の年末商戦に比べて新モデルの需要の立ち上がりは早いという.現状の値崩れの状態は改善へと向かい,需要の中心は32〜37インチ型になる.また,40インチ型以上へのシフトはまだ進んでいないという.

 DVDレコーダの売り上げは,対前年比2けた減から,徐々に回復に向かうという.「ビエラリンク」,「AQUOSファミリリンク」対応の年末商戦モデルの評価が高いという.フル・ハイビジョン(走査線数が1080本のハイビジョン対応受像機)などの付加機能によって,単価の上昇も期待できる.本格的な市場の回復は,次世代DVDの普及型モデルが登場してからになるもよう.

 デジタル・カメラについてはキヤノンのEOS Kiss Digitalの新モデルが登場したことで,ディジタル一眼レフ・カメラの年末商戦モデルが出そろった.ディジタル一眼レフ・カメラの2006年9月1日〜20日の速報値では,出荷台数,出荷金額ともに対前年同期比170%という高い伸びを示している.年末商戦では,ディジタル一眼レフ・カメラについて対前年比30%増になる可能性があるという.

 パソコンについては,米国Intel社のCPU「Core2Duo」などの登場のより,買い替え需要への期待が膨らんでいる.2006年9月の販売実績は,CPU単体の出荷金額で対前年比128%,メイン・ボードで同135%と急伸している.2007年1月にWindows XPの後継OSである「Vista」が予定通り出荷されれば,パソコン関連市場全体がプラス成長に転じる可能性が高いという.

 プリンタについては,ディジタル市場の好調が,インクジェット・プリンタの需要を後押しし,落ち込んでいた需要が2006年5月を底に回復しつつあるという.年末商戦では,買い替え需要の拡大により対前年比プラス成長を期待できるという.

 ディジタル・ビデオ・カメラは,ハイビジョン対応やDVD,HDD搭載モデルなど,話題は豊富だが,実需に結びついていないと.2006年9月1日〜20日の速報値では,出荷台数,出荷金額ともに前年比30%以上減になったという.AV関連商品のハイビジョン対応が急速に進む一方で,需要回復のきっかけをつかみきれない状況が続いているという.

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