Texas Instruments,1チャネルあたりの遅延時間が170msのディジタル・オーディオ遅延ICを発売
 米国Texas Instruments社は,1チャネルあたり最大170msの遅延時間をコントロールできるディジタル・オーディオ遅延ICを発売した.ディジタル化されたビデオ機器の内部では,比較的処理に時間を要するビデオ信号と,処理時間の短いオーディオ信号のタイミングのずれが問題になっている.本ICは,両者を同期させる目的で使用される.また,ワイヤレス伝送を利用したマルチチャネル・スピーカなどの処理遅延を軽減する目的でも使用できる.

 本ICは,遅延時間制御用のI2Cバスと,ディジタル・オーディオ信号の入出力ポート(BCK,LRCK,Data in/out)を備えている.例えばオーディオ・プロセッサとディジタル・アンプの間に挿入して利用する.

 本ICは,16〜24ビットのオーディオ・データに対応する.サンプル・レートは32kHz〜192kHzである.遅延処理のためのデータ・メモリは,電源投入時および遅延時間の設定変更時に初期化される.これにより,エラー・データの出力を防いでいる.内部の動作クロックをオーディオ・クロックから生成するための外付けの発振回路などは不要である.

 電源電圧は3.3V.I/O端子およびI2Cバス端子は5V入力に対応する.外形寸法が4mm×4mm×1mmの16ピンQFNパッケージに封止する.

■価格
420円(1,000個購入時の単価)

■連絡先
日本テキサス・インスツルメンツ株式会社

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