JASAとT-Engineフォーラム,組み込みソフトウェア技術者向け認定試験を2006年10月から実施
 2006年6月1日に開催されたトロン協会の「第18回 通常総会 特別講演会」にて,同協会のプロジェクトリーダーおよびT-Engineフォーラム会長である坂村健氏は,組込みシステム技術協会(JASA;日本システムハウス協会から改名)とともに,組み込みソフトウェア技術者向けに認定試験を実施すると発表した.「組み込み業界の地位確立,そして安定した人材確保と技術レベルの底上げが目的」(坂村健氏).

 今回発表された認定試験は,JASAによる「組込みソフトウェア技術者試験」と,T-Engineフォーラムおよびトロン協会による「TRONエンジニア試験」の二つ.組込みソフトウェア技術者試験では,組み込みソフトウェア全般にかかわる基礎知識をテストする.本認定試験は情報処理推進機構 ソフトウエア・エンジニアリング・センター(IPA/SEC)が策定した「組込みスキル標準(ETSS)」をもとに作成されるという.例えば,本認定試験2級はETSSのキャリア基準のエントリ・レベルの,1級はミドル・レベルの技術者としての知識や能力があるかどうかをテストする.一方,TRONエンジニア試験は,T-KernelやITRONに特化したテストであり,より実践的な技術力が問われる.実際にソース・コードの記述を行う問題も出題されるという.

 いずれの試験も受験資格はとくに設けていないが,TRONエンジニア試験は組込みソフトウェア技術者試験1級以上の技術者を対象としている.

 試験はCBT(computer based test;コンピュータを用いたテスト)方式によって実施される.設問やテスト時間,受験料,施設などは現在検討中.組込みソフトウェア技術者試験は2006年10月から,TRONエンジニア試験は同年12月から本試験を開始する予定.

(c)2006 CQ出版