Mentor社,シミュレータと形式的検証ツールのカバレッジ・データ管理を一元化
 米国Mentor Graphics社は,同社のシミュレータ「Questa」を6.1から6.2にバージョン・アップした.これに伴って,カバレッジ情報に関するデータベースを,フォーマル検証ツール「0-In Formal Verification」のデータベースと一元化した.

 Questaは,SystemVerilog,Verilog HDL,VHDL,PSL(Property Specification Language),SystemCの5言語に対応するシミュレータである.0-In Formal Verificationは,シミュレーション・パターンが不要な静的解析機能とシミュレーション・ベースの動的解析機能を備えるフォーマル検証ツールである(後者の動的解析機能を利用する際に,カバレッジ情報を参照する).これらのツールは,同社が提唱している検証手法「AVM(Advanced Verification Methodology)」に準拠している.AVMは,制約付きランダム・パターン生成や機能カバレッジ,アサーションといった機能検証の技術をSystemCやSystemVerilogの設計環境で利用する際のガイドラインをまとめたものである.

 今回のデータベースを,同社はUCDB(Unified Coverage Database)と呼んでいる.このデータベースでは,コード・カバレッジやFSM(finite state machine)カバレッジ,トグル・カバレッジ,SystemVerilog Covergroupカバレッジ,SVA(SystemVerilogアサーション)やPSLのcoverディレクティブ,アサーション・データ,テスト項目などが管理の対象となる.また,読み書き双方向のAPI(application programming interface)を備えている.これを利用すると,ほかのツールのデータやユーザ・データを追加したり,カスタム・レポートを生成したりできる.例えば,Excelなどで作成したテスト計画書を取り込んでテストを自動実行し,結果を専用のGUIで確認するといったことが可能となる.本データベースは1秒間に100万回のアクセスが可能であり,多数のシミュレータを並行稼働するシミュレーション・ファームなどにも対応できるという.

 さらにMentor社は,同社の検証技術や検証手法(AVM)の普及を目指す企業提携プログラム「QVP(Questa Vanguard Program)」を発足した.現在,27社が加盟している.

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