MIPS,マルチスレッド技術で性能を約60%向上させた32ビットCPUコアを発売
 米国MIPS Technologies社は,マルチスレッド技術を採用した組み込みシステム向け32ビットCPUコア「MIPS32 34Kコア・ファミリ」を発売した.マルチスレッド技術は,一つのCPU上で複数のスレッドを並列に実行し,演算リソースを有効活用する技術である.同社はこれを「MIPS MT ASE(Application Specific Extention)」と呼んでいる.例えば,マルチスレッド技術を採用していない同社の24KEコア・ファミリと比較すると,性能が約60%向上する.一方,チップ面積の増加は約14%にとどまるという.

 本CPUコアは,MIPS32 Release2命令セット・アーキテクチャに準拠している.パイプライン構成は9段.32ビット命令を16ビットにエンコードしてメモリ量を削減する「MIPS16e」,ユーザ定義命令を追加できる「CorExtend」,DSP拡張命令「MIPS DSP ASE」などに対応している.

 オプションとして,QoS(quality of service)機能を実現するポリシ・マネージャ,スレッド間通信ユニット,浮動小数点演算ユニットなどを用意する.QoS機能とは,つねにスレッドの状態を監視し,各タスクに対して必要な処理能力を割り当てていく機能である.

 すでに,米国iVivity社やオランダMobileye社,米国PMC-Sierra社が本CPUコアのライセンスを受けているという.

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