ARC,同社のコンフィギャラブル・プロセッサ・コア向けにSIMD拡張コプロセッサ・コアを開発
 米国ARC International社は,同社のコンフィギャラブル・プロセッサ・コア「ARC750D」と組み合わせて利用するSIMD(single instruction multiple data)拡張コプロセッサ・コアを開発した.従来の命令セット(ARCompact ISA)に,新たに104個の128ビット命令を追加した.例えばベクトル・データのバタフライ演算命令や乗算命令,転置行列命令などがある.

 本SIMDコアを利用することにより,音声や画像などのマルチメディア・データの処理性能が向上する.例えばH.264エンコードの処理速度は,整数変換が10.3倍に,フレーム間予測の各処理(垂直フィルタ,水平フィルタ,1/4画素補間)が8.3〜25.2倍に,フレーム内予測が7.7倍に,デブロッキング・フィルタの各処理(垂直フィルタ,水平フィルタ)が10.4〜70.0倍に向上したという.

 本SIMDコアは,SIMD CPU,SIMDコード・キュー,SIMDコード・メモリ,SIMDデータ・メモリ,DMA(direct memory access)からなる.実装時のゲート数は15万.0.13μmルールのCMOSプロセスで製造した場合,最大500MHz程度で動作する.消費電力は0.07mW/MHz.H.264やVC-1,MPEG-2,MPEG-4,JPEG,Motion-JPEG,AAC,MP3などのCODECライブラリを用意する.

 2006年にはオンチップ・ネットワーク用のIPコアも提供する予定.また,対称型マルチコアに対応したSMP(symmetric multiprocessor)Linuxのサポートも予定している.

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