Agilent,帯域幅3GHz,ダイナミック・レンジ97dBで100万円を切るスペクトラム・アナライザを発売
 米国Agilent Technologies社は,低価格帯のスペクトラム・アナライザ「Agilent CSAシリーズ」を発売する.帯域幅が最大3GHzの「N1996A-503」,同6GHzの「N1996A-506」の2機種を用意する.N1996A-503の標準構成時の価格は約95万円.従来,アナログのディスクリート部品で構成していたIF(中間周波数)以降の処理を,14ビットA-Dコンバータ,フィルタリング(FIR)処理用ASIC,DSP(ディジタル信号処理プロセッサ)などのディジタルLSIに置き換えることで,低価格を実現したという.2.4GHz/5GHz帯を用いた無線通信機器のテストや基地局の保守・点検,教育機関などでの利用を見込んでいる.

 本スペクトラム・アナライザのダイナミック・レンジは97dB.分解能帯域幅(RBW)は10Hz〜1MHz(1%ステップで調整可能).測定誤差は±1.5dB,感度は-156dBm/Hzである.プリアンプ使用時のノイズ・フロアは-146dBm.

 本スペクトラム・アナライザの外形寸法は48cm×22cm×25cm,重量は7.5kg.リチウム・イオン電池2本(オプション)で1〜3時間駆動可能.また,8.1インチのカラーTFT液晶ディスプレイを備えている.ディスプレイの解像度はXGA(1024×780ピクセル).

 測定する信号を取り込んだ際に,その振幅(スペクトラム強度)に応じてアッテネータ(減衰器)やプリアンプ(増幅器)のレベルを自動的に調節する「Autorange」という機能を備えている.複数の測定電波の中からもっとも強度の高い信号に合わせて縦軸(振幅)と横軸(周波数)を調整したい場合,パネル前面のボタン(「Autoscale」と「Autotune」)を操作するだけで済む.またオプションとして,トラッキング・ジェネレータ(高周波信号発生器)機能やスペクトログラム(時間,周波数,振幅の表示)機能なども備えている.

 2005年11月から発売を開始する.

■価格
約95万円から(N1996A-503)
約140万円から(N1996A-506)

■連絡先
アジレント・テクノロジー株式会社
TEL:0120-421-345

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