Analog Devices,3.3V,175Mサンプル/s動作時の消費電力が55mWと低い14ビットD-Aコンバータを発売
 米国Analog Devices社は,動作電圧が3.3V,サンプリング速度が175Mサンプル/sのときの消費電力が55mWと低い14ビットD-Aコンバータ「AD9707」を発売した.通信機器や産業用計測器,携帯機器などにおける需要を見込んでいる.

 55mWという動作時消費電力の値は,同等性能を備えた同社の従来品「AD9744」と比べると約70%低いという.製造プロセスを0.35μmから0.18μmへ微細化したこと,出力電流(標準値)を20mAから2mAに引き下げたことなどによって,消費電力の低減を実現した.スリープ時の消費電力は5mW(3.3V動作時).

 本D-Aコンバータの3.3V動作時のサンプリング速度は最大175Mサンプル/s,1.8V動作時は最大80Mサンプル/s.動作電圧範囲は1.8〜3.6V.INL(integral nonlinearity)は±2LSB,DNL(differential nonlinearity)は±0.5LSB.出力周波数が40MHzのときのSFDR(spurious-free dynamic range)は70dB.また,内蔵する抵抗によって,出力電流を1mA〜5mAに調整できる.

 AD9707のほかに,消費電力が少ないD-Aコンバータ製品として,分解能が異なる「AD9704(8ビット)」,「AD9705(10ビット)」,「AD9706(12ビット)」の3品種も用意する.いずれもAD9707とピン互換性を持つ.

 AD9707のサンプル出荷はすでに開始している.量産出荷の開始時期は2005年10月.

■価格
5.75ドル(AD9707,1,000個購入時の単価)

■連絡先
アナログ・デバイセズ株式会社
TEL:03-5402-8125

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