ARC,コンフィギャラブル・プロセッサ・コアに浮動小数点演算の拡張機能を追加
 米国ARC International社は,同社のコンフィギャラブル・プロセッサ・コア「ARC 600」,「ARC 700」に浮動小数点演算の拡張機能「FPX」を追加した.必要に応じて,IEEE 754規格に準拠した浮動小数点演算機能を組み込める.例えば,グラフィックス処理や画像処理,プリンタ,GPS(global positioning system),自動車制御,計測などの分野で浮動小数点演算の需要があるという.

 FPXでは,整数演算と浮動小数点演算がパイプラインやレジスタ・セットを共用する構成をとる.これにより,独立した浮動小数点演算回路ブロック(コプロセッサ)を追加する場合と比べて,ゲート数の増加を抑えられるという.例えば,英国ARM社が提供する浮動小数点演算回路ブロック(VFP9-S)のゲート規模は10万〜13万ゲート.これに対してFPXの場合,単精度では12000〜14000ゲート,倍精度では24000〜30000ゲートの回路の追加で済むという.パイプラインのレイテンシは3サイクル.

 単精度の浮動小数点演算では三つの専用命令が,倍精度では四つの専用命令が追加される.これらの命令を利用する浮動小数点演算のソフトウェア・ライブラリを提供する.FPXの動作周波数あたりの浮動小数点演算性能は1.0Mflops/MHz.例えばGPS用のソフトウェアを実行したところ,FPXを利用することで従来より約2.6倍高速に処理できたという.

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