PolyFuel,従来のフッ素系膜と同じプロセスを用いて製造できる燃料電池用炭化水素系電解質膜を開発
 米国PolyFuel社は,燃料電池用の炭化水素系電解質膜を開発した.本電解質膜は,携帯機器向けの直接メタノール型燃料電池(DMFC:direct methanol fuel cell)に用いられる.同社の電解質膜は,メタノールのクロスオーバ(電解質を介した透過)が従来のフッ素系電解質膜の1/3,水のクロスオーバが同1/2と少なく,燃料効率の面で優れている.ただし,専用の燃料電池製造工程が必要になるという欠点があった.今回,炭化水素系電解質膜の表面の軟化温度をフッ素系電解質膜と同じレベルまで下げることによって,標準的なプロセスで製造できるようになったという.

 国内では,メタノールの取り扱いに関する規制緩和が2007年に行われるため,それに合わせてDMFCを搭載した携帯機器の開発がNECや三洋電機,日立製作所など大手機器メーカで進められている.

 なお,PolyFuel社はメタノールだけでなく水素を燃料とした燃料電池向けの炭化水素系電解質膜の開発も行っている.

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