PhilipsとXilinx,PCI Expressインターフェース回路を15〜20ドル程度で実現できるLSIとIPコアを共同提供
 オランダのRoyal Philips Electronics社と米国Xilinx社は,PCI Expressインターフェース回路を15〜20ドル程度で実現できるLSIとIPコアを共同で顧客に提供する.Philips社の物理層LSI「PX1011A」とXilinx社のFPGA「Spartan-3ファミリ(例えばXC3S1000やXC3S500Eなど)」,およびFPGAに実装するトランザクション層/データ・リンク層のIPコア「LogiCORE DO-DI-PCIE-PIPE」を組み合わせた.両社は,2005年4月11日に台北で開催されたIDF(Intel Developers Forum)で本LSIおよびIPコアを利用したデモンストレーションを披露した.

 Xilinx社は,従来からPCI Expressインターフェース用IPコアを提供してきた.ただし,このIPコアには物理層の回路が含まれており,実装できるFPGAは高価なVirtex-II Proファミリの製品に限られていた.今回,このIPコアから物理層の回路を削り,安価なSpartan-3ファミリのFPGAに実装できるようにした.

 対応するPCI Expressのレーン(通信チャネル)数はx1(伝送速度は2.5Gbps).物理層LSIとFPGAの間のインターフェースについては,米国Intel社が策定した「PIPE v1.0」の仕様を拡張し,ソース同期クロッキング用の送信クロックを追加した.これにより,8ビット,250MHzのチップ間データ転送が可能になったという.

 今回のIPコアを実装した場合のFPGAの内部動作周波数は62.5MHz,IPコアが消費するFPGAのリソースは5,000個程度のLUT(look-up table)と六つのBlockRAM.

 両社が共同開発したリファレンス・デザインは,2005年6月から顧客に提供する予定.リファレンス・デザインには,信号層が4層のプリント基板,回路図,レイアウト・データ,Gerberファイル,レイアウトのガイドラインなどが含まれる.Spartan-3ファミリのFPGAとIPコアはすでに出荷中.物理層LSIは現在サンプル出荷を行っており,量産出荷は2005年6月から.

■価格
14,000ドル(LogiCORE DO-DI-PCIE-PIPE)
5.50ドル以下(PX1011A,量産時)
9ドル以下(XC3S1200E,2006年後半,50万個購入時の単価)

■連絡先
ザイリンクス株式会社
TEL:03-5321-7740

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