Sonaptic,FOMA 901iの3機種に搭載される3Dオーディオ技術のデモンストレーションを公開
 英国Sonaptic社は,同社の携帯機器向け3次元(3D)オーディオ技術「3Dポジショナルオーディオ」が,FOMA901iシリーズに採用されたことを発表した.搭載予定の機種は,NECの「N901iC」,富士通の「F901iC」,三菱電機の「D901i」の3機種.この発表に合わせて,携帯電話や,ハード・ディスク装置を搭載した携帯型オーディオ・プレーヤを使ったデモンストレーションを公開した.例えば,5.1チャネルDVDオーディオの音響を立体感を損ねることなく2チャネルの携帯機器用スピーカで再現した.

 3次元オーディオ技術とは,人間の聴覚の特性を利用して,聴取者の周りに疑似的に3次元の音場を定位させ,二つのスピーカを用いて立体感のある音を再生する技術である.同社の場合,音場定位アルゴリズム「Dynamic Positioning」,音響効果アルゴリズム「Near-Field Algorithm(接近音)」,「Volumetric Algorithm(音の広がりや大きさ)」,「Dynamic Ambient Processing Algorithm(距離感)」などを提供している.また,反響音やドップラ効果の処理を行うAPI(application programming interface)も用意する.

 本技術は,基本的にソフトウェア(Cソース・コード)として提供される.例えば,4チャネルに対応したすべての3次元オーディオ・アルゴリズムを米国Texas Instruments社のアプリケーション・プロセッサ「OMAP」のDSPコアで処理した場合,負荷は同コアの最大処理性能の10%程度で済むという.

 なお,上述の三つのFOMA携帯電話では,すべての機能をソフトウェアとして実装する機種と,一部の機能をハードウェア(専用LSI)として実装する機種があるという.この専用LSIはヤマハ製またはローム製であり,Sonaptic社が開発したIP(intellectual property)コアを搭載している.Sonaptic社は,両社に対してこのIPコアをライセンス供与している.

■連絡先
Sonaptic株式会社
TEL:03-3365-0554

(c)2004 CQ出版