Mentor,複数のユーザが同一の画面を見ながら同時にプリント基板のレイアウト設計に参加できる並行設計支援ツールを発売
 米国Mentor Graphics社は,複数のユーザが同一の画面を見ながら同時にプリント基板のレイアウト設計に参加できる並行設計支援ツール「XtremePCB」を発売した.TCP/IPを利用するネットワーク(LAN,インターネットなど)につながったUNIXワークステーションやWindowsパソコンといっしょに利用する.最大15ユーザが同時に一つの設計プロジェクトに参加できる.本ツールは,同社のプリント基板設計環境「Expedition PCB」や「Board Station RE」のオプションとして提供される.

 本ツールは,サーバ・クライアント構成をとるネットワーク上で稼働する.サーバ上にはマスタとなる設計データベースが存在する.各クライアント上ではExpedition PCBまたはBoard Station REが動作しており,これらのツールに付属する設計データベースはサーバ上の設計データベースとつねに同期を取っている.例えば,あるクライアントの画面上で部品のフットプリント(オブジェクト)を移動させると,変更情報(レイアウトの差分情報)がリアルタイムにサーバへ転送される.サーバは,送られてきた情報に基づいてマスタの設計データベースを更新し,同時に,そのほかのクライアントへ変更情報を送る.そのほかのクライアントはサーバから受け取った情報に基づいて,クライアント側の設計データベースを更新する.こうして,あるクライアントのレイアウトの変更がリアルタイムにそのほかのクライアントの画面に反映される.

 同期をとれるのは,部品の配置,配線,設計ルール・チェック,シルク編集,製造データ出力などの処理である.レイアウト上の特定の領域をロックして,別のユーザに変更させないようにする機能を備えている.また,あるユーザが設計ルールを変更したくなったとき,メールによって,別のユーザに設計ルール変更の承認を求める機能なども用意している.

 なお,国内のプリント基板設計ツール・ベンダであるワイ・ディ・シーも,同様の機能を備える並行設計支援ツール「εC3Design」を2004年3月から出荷している.

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