ATI,PCI Expressインターフェースを備えたデスクトップ・パソコン向けグラフィックスLSIを発売
 カナダATI Technologies社は,PCI Expressに対応したデスクトップ・パソコン向けグラフィックスLSI「RADEON X800 XT」を発売する.本LSIは,2004年5月に発表された同社の「RADEON X800」とグラフィックス処理機能は同じで,バス・インターフェースをAGP(Accelerated Graphics Port)8XからPCI Expressに置き換えた.

 従来,グラフィックス用のインターフェースとして使用されていたAGPは,上りと下りの伝送速度が異なり,グラフィックス用チップセットからメインCPUへの伝送速度が遅い.PCI Expressでは,上りと下りのレーンが独立しているため,同じ速度で伝送できる.また,本LSIのPCI Expressは×16リンクであり,双方向でAGP 8Xの4倍の伝送速度になる.

 動作周波数の異なる2品種「RADEON X800 XT」と「RADEON X800 XT Platinum Edition」を用意する.前者の動作周波数は500MHz,後者は520MHzである.両品種ともメモリ・バスのバス幅は256ビットで,256MバイトのGDDR3(Graphics DDR3)準拠SDRAMに対応している.外付けするグラフィックス・メモリの動作クロック周波数は,RADEON X800 XTが1.0GHz,RADEON X800 XT Platinum Editionが1.12GHzである.RADEON X800 XTは2004年6月末から,RADEON X800 XT Platinum Editionは同年7月末から出荷を開始する予定.

 また,同社はRADEON X800の低コスト版である「RADEON X600」と「RADEON X300」を発売した.RADEON X600は,動作周波数が500MHzで,外付けメモリの動作クロック周波数が740MHzの「RADEON X600 XT」と,動作周波数が400MHzで,外付けメモリの動作クロック周波数が600MHzの「RADEON X600 Pro」を出荷中.いずれも128Mバイトと256MバイトのGDDR1準拠SDRAMに対応する.バス幅は128ビット.一方,RADEON X300はメモリ・バス幅の異なる2品種「RADEON X300(×128ビット)」と「RADEON X300 SE(×64ビット)」を出荷中.両品種とも,動作周波数は325MHz,外付けメモリの動作クロック周波数は400MHz.

 これとは別に,ノート・パソコン向けのグラフィックスLSI「MOBILITY RADEON X600」も発表した.バス・インターフェースはPCI Expressに対応している.本LSIは,液晶ディスプレイ向けの画像補正機能(例えば,動画の残像を削減するために出力画像データを制御する機能など)を備えている.また,バックライトの明るさの調整を本LSIから行えるようにした.

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