松下電器産業,表示色数が最大36億2000万色の薄型PDPをオリンピック需要ねらいのテレビの新機種に搭載
 松下電器産業は,同社の薄型テレビ「VIERA」の新製品を発表した.今回は,地上ディジタル放送やBS放送などに対応した37V型〜50V型のPDP(plasma display panel)テレビ「PX300シリーズ」を3機種,22V型〜32V型のLCD(liquid crystal display;液晶ディスプレイ)テレビ「LX300(アスペクト比15:9)/LX30(同16:9)シリーズ」を5機種用意する.今年(2004年)8月にアテネで開催される「第28回オリンピック競技大会」によるテレビの買い換え需要をねらっている.

 PX300シリーズのPDPは,最大36億2000万色の表示色数を実現した.この画質を実現するために,同社はPDPドライバ回路を改良した.例えば,PDPの蛍光体の予備放電の制御を高速化(1/60秒に1回)することによって,3000:1のコントラスト比を実現した.これにより,従来,RGBそれぞれが1,024階調だったのを,各1,536階調にできたという.さらに,低輝度部分では最大2,048階調相当を実現し,暗い画像を細かく表現できるようになった.また,今までは,RGBの3ドットを1画素として処理していたのに対して,新しい回路ではRGBのそれぞれを1ドットずつ処理する.これにより,輪郭補正を1ドット単位で行える.

 また,PDP全体の改良も行った.PX300シリーズの42V型,32V型では放電用ガスを改良して輝度を10%向上させ,かつ消費電力を10%低くした.

 一方,LX300/LX30シリーズもLCDドライバ回路を改良した.本ドライバ回路は,例えば,映像シーンに合わせてバックライトの明るさやLCDの光シャッタの開口度,階調の割り当てなどを調節する機能を持っている.本シリーズのLCDの表示色数は23億6000万色相当.

 LCDパネルの視野角は,LX300が上下左右176度,LX30が上下左右170度.コントラスト比はLX300,LX30ともに1000:1.動画に対する応答速度はLX300が14ms,LX30が16ms.

 なお,PX300シリーズ,LX300シリーズは,従来の266MHzから350MHzに動作周波数を引き上げた映像信号処理用LSIを搭載している.

 22V型のLX30「TH-22LX30」は2004年7月から,それ以外の機種はすべて同年6月から発売を開始する.さらに,同社は同年秋に65V型の薄型PDPテレビを発売する予定.なお,2004年度の同社の国内出荷台数について,PDPテレビは40万台(2003年度実績は25万台)を,14V型以上のLCDテレビは240万台(同140万台)を目標としている.

■価格
オープン価格(実売90万円前後,50V型PX300「TH-50PX300」)
オープン価格(実売52万円前後,32V型LX300「TH-32LX300」)

■連絡先
松下電器産業株式会社 お客様ご相談センター
TEL:0120-878-365

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