テンプスタッフ・テクノロジー,ソフトウェア開発者の起業を支援するファンド制度を設立
 テンプスタッフ・テクノロジーは,ソフトウェア開発者の起業時に投資・経営支援を行うファンド制度「Vコラボレーション」を設立した.制御ソフトウェアやネットワーク・サーバ・ソフトウェアを開発できるベンチャ企業と契約し,同社の顧客の抱えるプロジェクト事業を総合的に受託できる体制を整える.

 まず初年度は「制御系アプリケーションの設計・開発」,「ネットワーク・サーバの設計・構築」,「ヘルプデスクの設計,データベース構築・運用」,「Webサービス」の四つを投資分野として定める.このファンド制度を設立する目的は,キャピタル・ゲイン(株式の譲渡益)の獲得ではなく,技術者の起業を支援し,事業をいっしょに計画することで,これらの投資分野における同社の事業基盤を整えることにあるという.

 このようなファンド制度の設立に踏み切った背景には,同社の顧客企業からの要望があった.時間や責任が限定された従来型の人材派遣ではなく,プロジェクト単位の受託開発契約を希望する顧客企業が少なくないという.制御アプリケーション開発の分野では,携帯電話や自動車,電子部品,ディジタル機器関連の顧客企業から要望が来ている.

 起業予定者や事業計画の審査は,同社が担当する.事業計画については,実現性やリスクだけでなく,同社と協業するメリットがあるかどうかについても考慮する.審査に合格した場合,1,000万円を上限とする投資と,4,000万円を上限とする融資を受けられる.そのほか,債務保証や法人設立登記などの手続きの支援,営業支援,経理・総務・人事などの業務支援なども予定している.これらの支援は,原則として5年間継続する.

 ただし,制約もある.投資先企業が上場している場合,発行済み株式のうち66.7%以上を同社が保有し,株式の譲渡制限を設ける(5年後には保有株式を代表者に売却し,保有する割合を33.4%以上とする).投資先企業の役員のうち,過半数は同社からの出向者とする.また,同社からの業務委託を年間一定額以上受託する義務があり,同社の同業他社と取引が発生した場合,同社に事前報告する必要があるという.

■連絡先
テンプスタッフ・テクノロジー株式会社
TEL:03-5334-5528

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