NTT,最大電力点を自動検出する昇圧回路を備えた太陽電池利用の携帯機器向け充電器を開発
 NTTは,太陽電池を利用して携帯機器に電力を供給する充電器「ポケットエナジー」を開発した.バッテリには昇圧回路が組み込まれており,0.4V程度の太陽電池の単セルから5V前後の電圧を安定的に出力する.この昇圧回路は最大電力点を自動的に探しだす機能(MPPT:maximum power point tracking)を備えている.これによって,太陽電池にあたる入射光が変化しても,つねに最大の電力を取り出すことができるという.携帯電話やディジタル・カメラ,液晶テレビなどの充電器としての需要を見込んでいる.

 本充電器の出力電圧は3.8〜8.5V,最大出力電力は10Wである.接続ケーブルから携帯機器に関する情報を受け取り,適切な供給電力を自動的に設定する機能を備えている.

 本充電器は,太陽電池発電モジュールとバッテリ(電力変換器を含む)で構成されている.発電モジュールの外形寸法は150mm×91mm×22mmであり,太陽電池の単セルが二つ並列に接続されている.重さは200g.バッテリの外形寸法は98mm×61mm×14mm,重さは83g.バッテリには携帯電話2台分程度(4.8Wh)の電力を蓄積できる.なお,バッテリへは100VのACアダプタやパソコンのUSBインターフェースからの蓄電も可能.

 本充電器は,2004年5月にエヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジから発売される予定.基本ユニット(太陽電池発電モジュール,バッテリ,接続ケーブルなど)の価格は1万円台の後半を考えているという.

■連絡先
日本電信電話株式会社(NTT)
TEL:03-5205-5366
エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社
TEL:0422-47-8029

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