TI,8チャネルを1チップに集積した70Mサンプル/sのA-Dコンバータを発売
 米国Texas Instruments社は,独立した8個のA-Dコンバータを1チップに集積した「ADS527x」ファミリを発売した.分解能(12ビット,10ビット)や最大サンプリング速度が異なる7品種を用意する.例えば,12ビットA-Dコンバータ「ADS5273」は,サンプリング速度が最大70Mサンプル/s.1チャネル当たりの消費電力は138mWである.高精細画像処理応用や無線通信の基地局などにおける需要を見込んでいる.

 本A-Dコンバータの出力には,シリアルLVDS(low voltage differential signaling)インターフェースを採用している.これにより,クロストーク・ノイズを低減させたり,基板面積を小さくすることができる.

 また,使用しないA-Dコンバータがある場合は,チャネルごとにパワー・ダウン・モードを設定することが可能.さらに,LVDS出力電流は2.5mA,3.5mA,4.5mA,6.0mAに設定できる.いずれも,外部信号によって本A-Dコンバータのレジスタの値を変更して制御する.

 電源電圧は3.3V.アナログ入力は2Vp-p.SN比は70.5dB.パッケージは80ピンTQFP.

 また,同社は本A-Dコンバータ用の評価ボードも提供する.本評価ボードは,米国Xilinx社製のシリアル-パラレル変換ボードと組み合わせて利用できる.

 本A-Dコンバータのサンプル出荷はすでに開始している.量産出荷は2004年3月末から開始する予定.現在,提供できる評価ボードのサンプリング速度は40Mサンプル/sだが,A-Dコンバータの量産出荷時期に合わせて,70Mサンプル/sに対応した評価ボードも設定していくという.

■価格
17,000円(ADS5273,1,000個購入時の単価)

■連絡先
日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
TEL:0120-81-0036(FAX)

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