T-Engineフォーラム,電子IDタグ読み取り/書き込み機能付きの携帯端末を開発
 T-Engineフォーラムは,電子IDタグの読み取り/書き込みを行える携帯端末「ユビキタス・コミュニケータ」を開発し,デモンストレーションを行った.本携帯端末は,ユビキタスIDセンターが認定している標準IDタグ「ucode」の規格に対応している.2.4GHz,UHF帯,13.56MHzといった3種類の周波数を利用できる.外径寸法は120×75×17.2mmと市販のPDA並み.重さは175g.開発したのは,T-Engineの開発拠点であるYRPユビキタス・ネットワーキング研究所.

 今回の携帯端末は,ルネサス テクノロジの32ビット・マイコン「SH-3」を搭載している.IDタグの読み取り/書き込み回路,MPEG-4/JPEGなどの画像圧縮・伸張回路,暗号処理回路などを集積した専用ASICを新たに開発した.例えば,最大640×480ピクセル(VGAサイズ)のMPEG-4画像データを30フレーム/sの速度で圧縮・伸張できる.

 さらに,本携帯端末はCMOSカメラも搭載している.標準IDタグだけでなく,JANコードなどのバーコードも読み取れるという.加えてBluetoothやワイヤレスLAN,赤外線通信にも対応している.

 デモンストレーションでは,標準IDタグの認定を受けている日立製作所の「ミューチップ」を付けた商品(野菜や薬など)から情報を読み取ってみせた.出荷元や賞味期限の情報,および農家からの動画メッセージを表示させた.

 本携帯端末の製品化は,同フォーラムのメンバ企業が行うという.具体的な製品化の時期などは未定.

■連絡先
T-Engineフォーラム
TEL:03-5437-2270

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