Transmeta,1クロック当たり最大8個の命令を実行するx86互換の低消費電力プロセッサを発売
 米国Transmeta社は,1クロック当たり最大8個の32ビット命令を実行するx86互換の低消費電力プロセッサ「Efficeon TM8000ファミリ」を発売した.パソコンやサーバのほか,ディジタル家電などの組み込み機器における需要を見込んでいる.

 動作周波数が1.1GHzのときの最大消費電力は7W.消費電力を低減するために,「LongRun」というソフトウェアとその処理に必要な回路が実装されている.本ソフトウェアは負荷に応じて動作周波数や駆動電圧を動的に調節する.また,オブジェクト・コード変換用ソフトウェア「CMS(Code Morphing Software)」を用いてx86命令をVLIW(very long instruction words)命令に変換して実行している.

 本プロセッサは,1次キャッシュとして128Kバイトの命令キャッシュと64Kバイトのデータ・キャッシュを内蔵する.2次キャッシュのメモリ容量は1Mバイト.DDR-266/333/400に対応したSDRAMインターフェース・コントローラを備えている.また,グラフィックス用のバス・インターフェースはAGP 1X/2X/4Xに対応する.I/Oインターフェースには,データ転送速度が1.6Gバイト/sのHyperTransportを採用している.なお,駆動電圧などの詳細は明らかにしなかった.

 これとは別に,同社は,従来のLongRunにしきい値電圧を制御してトランジスタのもれ電流を低減させる機能を加えた「LongRun2」を新たに発表した.本ソフトウェアを用いると,待機時の消費電力を2mWに抑えることができるという.本ソフトウェアを搭載したプロセッサは,2004年中に出荷する予定.

 本プロセッサの特定顧客向けのサンプル出荷はすでに開始している.量産出荷は2003年第4四半期から開始する.また,本マイクロプロセッサを搭載した製品は同年末から2004年始めにかけて出荷される予定.

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