日立,0.4mm角のアンテナ内蔵型ミューチップを開発
 日立製作所は,0.4mm角のアンテナ内蔵型RFID(radio frequency identification)チップ「ミューチップ」を開発した.同社がすでに発表している0.4mm角のRFIDチップの表面に,コイル状のアンテナを形成した.これにより,個別にアンテナを取り付ける必要がなくなった.アンテナそのもののコストや,外部アンテナを取り付けるためのコストが不要になるという.RFIDとは,無線を用いた自動認識技術.半導体チップを駆動する電源としては,無線(電磁波エネルギ)そのものを使うことが多い.

 内蔵アンテナの形成には,半導体製造において接点用の金バンプを形成するときに用いる金メッキの工程を流用している.また,チップ単位ではなくウェハ単位で一括してアンテナを形成し,その後,それぞれのチップに切り分ける.そのため,従来のRFIDチップを製造する場合と比べて,製造コストはほとんど変わらないという.

 今回のRFIDチップは,読み取り用のセンサに密着させて認識させる用途を想定している.センサから離して読み取らせることはできない.例えば,紙幣や商品券のような有価証券,あるいは入場券などに組み込んで利用する.ID番号のビット長は128ビット.

■連絡先
株式会社日立製作所
TEL:03-5295-7214

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