ルネサス テクノロジが事業方針を説明,SuperHとM32Rは両方存続
 日立製作所と三菱電機の半導体部門が統合されて4月1日に発足した半導体専業メーカのルネサス テクノロジは,同社の今後の事業方針について発表した.同社はマイコンを事業の中核と位置づけている.32ビット・マイコンについては,SuperHプロセッサとM32Rプロセッサの両方を存続させるという.SuperHプロセッサは主に高性能が必要な用途に,M32Rプロセッサは主にカスタム化が要求される用途に提供していく方針.

 意思決定を迅速に行うため,同社は事業本部制を採り,三つの事業本部の権限を強くする.マイコンやシステムLSIを扱う第一事業本部の売り上げは全体の5割を占める.また,ミックスド・シグナルLSI,RF IC,ディスクリート部品を扱う第二事業本部の売り上げは,全体の3割程度である.

 第一,第二事業本部の収益は黒字である.一方,フラッシュ・メモリやSRAMを扱う第三事業本部については,現状は赤字になっている.しかし,この4月の会社発足時点で,拠点や人員の整理は済んでいるものと考えており,当面は拠点閉鎖や人員削減は予定していない.ただし,第三事業本部の黒字化や,日本の半導体会社にありがちな高コスト体質を改善するための方策を同社の中期計画として現在検討中である.

■連絡先
株式会社ルネサス テクノロジ

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