富士通,読み出し/書き込みを同時に行えるフラッシュ・メモリを内蔵した16ビット・マイクロコントローラを発売
 富士通は,読み出し/書き込みを同時に行えるフラッシュ・メモリを内蔵した16ビット・マイクロコントローラ「MB90F897」と「MB90F897S」を発売する.フラッシュ・メモリは二つのバンクを備えている.片方のバンクで書き込み/消去を行いながら,同時にもう一方のバンクのデータを読み出すことができる.

 MB90F897は,サブクロック信号機能を備えている.サブクロック信号機能は,メイン・クロックが止まっているときでも,外部の水晶発振器を使って時計表示などを実行できる機能である.

 本マイクロコントローラは,CPUコアとして同社の「F2MC-16LX」を搭載している.RAMの容量は2Kバイト,フラッシュ・メモリの容量は64Kバイト,命令実行時間は最小62.5ns.本CPUコアは,スリープ・モードや間欠動作モード,遅延割り込み,DTP(data transfer peripheral;周辺ICからのDMA要求や割り込み要求に送る)といった機能を備えている.

 このほか,本マイクロコントローラは,CAN(Controller Area Network)インターフェース,8チャネルのA-Dコンバータ,2チャネルのUART(universal asynchronous receiver transceiver)などを備えている.A-Dコンバータの分解能は8ビットまたは10ビット.

 電源電圧は3.5V〜5.5V.入力電圧レベルをソフトウェア・プログラムによって変更できる.例えば,低消費電力動作のために,“L”を0.5V以下,“H”を0.8V以上に設定することも可能である.パッケージは48ピンのQFP.サンプル出荷の開始時期は2003年4月.

■価格
900円(サンプル価格,2製品ともに)

■連絡先
富士通株式会社
TEL:042-532-1397
E-mail:edevice@fujitsu.com

(c)2003 CQ出版