National Semiconductor,システムLSIに組み込む電力管理用回路ブロックをARM社と共同で開発
 米国National Semiconductor社は,携帯電話やPDAなどの携帯機器の消費電力を低減し,バッテリ寿命を延ばす技術を英国ARM社と共同開発する.最初の開発目標は,ARMプロセッサに対応した電力管理用コア(回路ブロック)である.2003年第2四半期には外付けのパワー・マネージメントICと合わせてサンプル出荷を開始する予定.

 この電力管理用コアは,携帯電話のベースバンド処理やアプリケーション処理などに利用されるシステムLSIに組み込まれる.本技術を用いると,バッテリの使用時間を1.25〜5倍に延ばせるという.なお,本コアと組み合わせて利用できるARMプロセッサ・コアのバージョンは明らかにされなかった.

 今回の共同開発において,ARM社からは「Intelligent Energy Manager」技術が提供される.この技術は,プロセッサの負荷に応じてクロック速度などを決定するためのハードウェアおよびソフトウェア(OS)である.一方,National Semiconductor社からは「PowerWise」技術が提供される.PowerWise技術は,システムLSIに搭載される電圧制御用コアとシリアル・インターフェース,外付けのパワー・マネージメントICからなる.電圧制御用コアは,Intelligent Enegy Managerのクロック速度の情報をもとに,システムLSIの駆動に必要な最低限の電圧値を決める.本電圧制御用コアはAMBA準拠のバス・インターフェースを備えている.このデータをシリアル・インターフェースを介して,外付けのパワー・マネージメントICに転送し,本ICから必要な電圧を供給する.National Semiconductor社は,今後,本シリアル・インターフェースの仕様を公開していきたいという.ただし,仕様はまだ確定していない.

 なお,ARM社のIntelligent Energy ManagerのライセンスはNational Semiconductor社に独占的に供与されるものではない.また,National Semiconductor社の電圧制御用コアは,AMBA準拠であればARM以外のプロセッサ・コアにも対応できるという.

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