2002年上半期の電子工業生産は対前年同期比-20.7%と依然低迷,映像機器は同+2.6%と健闘
 JEITA(電子情報技術産業協会)は,2002年上半期(1〜6月)の電子工業生産額が対前年同期比-20.7%であり,依然低迷していると発表した.今年1月に発表された2002年の国内生産見通しは対前年比+0.7%増であったが,これを達成することは非常に難しいもよう.

 昨年(2001年)から続く低迷の要因として,パソコンの不振,通信機器の伸び悩み,半導体や電子部品の在庫調整,海外への生産移転などが挙げられた.「特に,パソコンの不振については,企業の情報機器への投資や個人消費が低迷しており,きわめて深刻な状況」(JEITA会長の谷口一郎氏).通信機器については,携帯電話が2002年7月から持ち直してきているが,通信分野全体のけん引役とはなっていない.また,電子部品・デバイスは,アジア向けの輸出を中心に,回復のきざしを見せているという.

 このような中,PDP(plasma display panel)テレビや液晶テレビ,DVDプレーヤなどの映像機器は,対前年同期比+2.6%と健闘している.絶対数が少ないため,電子産業全体に与える影響力は小さいが,ムードのけん引役になっているという.

 また,今後の市場予測について,2001年12月から徐々に上向きになってきた生産額が2002年6月あたりで横ばいになっていることと,不透明な中東情勢が与える世界経済への影響などから,「予測が困難になってきている」(谷口一郎氏)と説明した.

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JEITA(電子情報技術産業協会)
TEL:03-3518-6424

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