松下電器産業,薄膜の抵抗やコンデンサ,インダクタを内部に埋め込めるフレキシブル基板を発売
 松下電器産業は,薄膜の抵抗やコンデンサ,インダクタを内部に埋め込んだフレキシブル基板を開発した.有機フィルム上に厚さ1μm以下の抵抗やコンデンサなどを直接形成し,そのシートを積層して実現する.シートの厚さは25μm〜50μm,シートの外形は最大100mm×100mm.補償温度は最大300℃,基板の層数は十数層まで対応できるという.

 本フレキシブル基板で埋め込める抵抗値は100Ω〜10kΩ,定格電力は1/20W,抵抗値の精度は±2%,温度補償は±100ppm/℃である.コンデンサの容量値は10pF〜100pF,定格電圧は6.3V,容量値の精度は±10%,温度補償は0.15%/℃である.インダクタの誘導値は1nH〜50nH,定格電流は0.2A,誘導値の精度は±20%である.抵抗やコンデンサ,インダクタはスパッタリング成法を用いて製造される.固体表面に加速された高エネルギの粒子を衝突させると,その固体を構成する原子や分子がたたき出される.スパッタリング成膜技術では,このたたき出された原子や分子を基板に付着させて成膜する.

 フレキシブル基板に抵抗やコンデンサ,インダクタを埋め込むことにより,高周波信号の伝送損出を低減できる.また,レーザ加工によって抵抗値や容量値,誘導値を調整できる.ただし,2けた以上の特性値の変更は難しいという.また,多層基板の場合,内層の特性値を変更することはできない.

 1層のフレキシブル基板のサンプル出荷の開始時期は2002年10月.多層のフレキシブル基板については2003年の製品化を検討している.

■価格
下記に問い合わせ

■連絡先
松下電器産業株式会社
TEL:06-6905-4853

(c)2002 CQ出版