東芝,プロトコル・スタックなどのソフトウェアを組み込んだBluetoothベースバンドLSIを発売
 東芝は,通信制御を行うプロトコル・スタックや,アプリケーションごとに必要となるプロファイルなどのソフトウェアを組み込んだBluetooth用ベースバンドLSI「TC356510」を発売する.従来,これらのソフトウェアは別途開発する必要があった.また,ベースバンドLSIではなく,外部のマイクロコントローラで実行されることが多かった.

 TC356510のベースバンド機能は,Bluetooth Ver.1.1の仕様に準拠している.データ受信時の消費電流は最大25mA,待機時の消費電流は標準20μA.CPUコアとして,ARM7TDMIを内蔵している.また,バッファRAMやLMP(Link Manager Protocol)/HCI(Host Controller Interface)ソフトウェア格納用のマスクROMを内蔵している(メモリ容量の情報は非公開).外部インターフェースとして,増設RAM用,外付けフラッシュ・メモリ用,外付けEEPROM用のインターフェースを用意している.また,ホスト・インターフェースとして,921.6kbpsのUART,PCM(pulse code modulation)インターフェース,SDカード用のSD IOインターフェースを備えている.

 東芝が提供するソフトウェアは,LMP(Link Manager Protocol),RFCOMM(RF Communications Protocol),L2CAP(Logical Link Control and Adaptation Protocol),SDP(Service Discovery Protocol),GAP(Generic Access Profile),HCI(Host Control Interface),SPP(Serial Port Profile),Headset Profileである.また,HFP(Hands Free Profile),AVP(Audio/Video Profile),HID(Human Interface Device)Profileについても,現在開発を進めている.

 同社は,携帯電話メーカであるフィンランドのNokia社と提携している.今回の製品は,Nokia社のBluetooth用ベースバンド・コア技術を利用しているという.現在,RF(radio frequency)部とベースバンド部を1チップに集積した製品も開発中である.サンプル出荷の開始時期は2002年5月.量産出荷は同年8月から始める.

■価格
1,000円(サンプル価格)

■連絡先
株式会社東芝
TEL:03-3457-3413

(c)2002 CQ出版