Synopsys,検証言語OpenVeraにIntel社開発のプロパティ検証用記述を追加
 米国Synopsys社は,同社が公開している検証言語OpenVeraをバージョン・アップした.今回のOpenVera 2.0では,プロパティ・チェッキング・ツールやアサーション・チェッカなどで利用できるアサーション表現を追加した.Intel社が社内で利用している内製検証言語ForSpecのアサーション表現をOpenVeraに取り込んだ.

 プロパティ・チェッキング・ツールとはフォーマル・ベリフィケーション(形式的検証)ツールの一種で,設計したディジタル回路が与えられた命題(プロパティ)を満足するかどうかを数学的に証明するツールである.例えば,「出力Aは絶対に‘0’にならない」というプロパティを与えると,回路を数学的にチェックして真か偽かを返す.また,出力信号が‘0’になる場合は,どういう条件でそれが起こるかということも示す.アサーション・チェッカとは,シミュレーションが実行されている間,与えられた命題(アサーション)が遵守されているかをモニタするチェッカ・モジュールである.前者は静的な検証であり,後者は動的な検証である.また,ここでの命題は,時間の概念を含む「時間論理(時相論理)」の命題になる.

 プロパティ・チェッキング・ツールとアサーション・チェッカは出自のまったく異なるEDA技術であり,これまで記述表現が統一されていなかった.OpenVera 2.0ではこれを共通にした.OpenVera 2.0のLRM(language reference manual)は,OpenVeraのWebサイトからダウンロードできる.

 さらに同社は,OpenVeraに準拠した9種類の検証用IPが出荷されたこと,新たに3社のEDAツールがOpenVeraのサポートを開始したこと,オンラインのディスカッション・フォーラムを発足したこと,新たに11社がOpenVeraに関する企業コンソーシアムであるCatalystプログラムに参加したことを発表し,OpenVeraの勢いを誇示した.

 Synopsys社では,近々にOpenVera 2.0をサポートしたプロパティ・チェッキング・ツールの発表を予定しているという.

■連絡先
日本シノプシス株式会社
TEL:03-3346-7037

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