SpecCの普及推進団体,SpecC関連の設計支援ツールを14大学,2研究機関に無償提供
 システム・レベルの仕様記述/設計言語である「SpecC」の普及推進を目指すSpecC Technology Open Consortium(STOC)は,「SpecC研究支援プログラム」を2002年4月より開始すると発表した.システム・レベルの設計方法論を研究したり,SpecCを利用してシステム・レベルの設計を行う研究者に,SpecC関連の設計支援ツールを無償提供する.本プログラムの実施期間は3年間.

 設計支援ツールの無償提供を受ける大学は,宇都宮大学,九州工業大学,京都大学,近畿大学,玉川大学,東京工科大学,東京大学,東京農工大学,東洋大学,豊橋技術科学大学,福井大学,武蔵工業大学,山形大学,早稲田大学,研究機関は九州システム情報技術研究所,産業技術総合研究所である.また,今後,そのほかの大学・研究機関がSpecC関連ツールの無償提供を希望した場合にも,対応していく方針.ただし,ライセンスできる地域やドキュメント作成,ユーザ・サポートの問題があるため,当面は,日本国内の大学や研究機関が対象となる.

 STOCから提供される設計支援ツールは,STOCの「SpecCリファレンス・コンパイラ」,インターデザイン・テクノロジーが出荷しているSpecCグラフィカル入力ツール「VisualSpec」,米国Y Explorations社が出荷しているANSI C入力のビヘイビア合成ツール「eXCite」,ガイオ・テクノロジーが出荷しているITRON対応の組み込みソフトウェア開発ツール「OPENplus for ARM」,キャッツが出荷している状態遷移表ベースの上流CASEツール「ZIPC」である.

 STOCによると,現在のところ,SpecCを実験やプロトタイピングなどに利用した例はあるが,実際のシステムLSIなどの開発に利用した例はないという.「SpecCは上流の設計を支援する言語.アプリケーションのノウハウと密接につながっている.SpecCを実用化するためには,アプリケーションごとのノウハウや利用技術が重要になる.今回の研究支援プログラムによって,この部分のギャップを埋めていきたい」(STOC会長の田丸喜一郎氏).

■連絡先
SpecC Technology Open Consortium
TEL:03-5360-3851

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