ソニーとソニー木原研,カラー動画像の撮影と3次元計測を同時に行える1/4インチ型CMOSイメージ・センサを開発
ソニーとソニー木原研究所は,カラー動画像の撮影と3次元計測を同時に行える1/4インチ型のCMOSイメージ・センサ「Entertainment Vision Sensor」を開発した.光切断法を利用して被写体の3次元形状を計測する.15フレーム/sまたは30フレーム/sの速度で計測できる.光切断法とは,スリット状の光を被写体に照射したときに生じる,被写体の形状に対応した反射光の変化を計測する手法である.
両社は,昨年(2001年)のISSCC(International Solid-State Circuits Conference)で白黒動画像の撮影と3次元計測を行えるCMOSイメージ・センサを発表した.画像処理と演算処理を行う回路をCMOSイメージ・センサの各画素内に配置していた.今回の製品では,画像処理回路と演算処理回路を別々に配置した.これにより.昨年の白黒CMOSイメージ・センサと比べて外形寸法を1/20(5.2mm×7.3mm)に,消費電力を1/5(約55mW)にできたという.
本製品では,ソニーが開発したCMOSイメージ・センサのノイズ除去方式であるDRSCAN(Dot sequential Readout System with Current Amplified signal output Noise reduction circuit)を採用している.これにより,センサを構成するトランジスタの特性のばらつきを抑えることができる.DRSCANとは,画素ごとの画像信号とノイズ成分を読み出し,同一回路(相関二重サンプル)でノイズを除去する方法である.
有効画素数は7.7万画素(320×240),開口率は53%.また,距離分解能は2.5mm(400mm前方で15Hz)である.電源電圧は3.3V.両社は,2002年2月4日〜6日に米国サンフランシスコで開催されたISSCC2002で本CMOSイメージ・センサを発表した.製品化の時期は未定.
■連絡先
ソニー株式会社
株式会社ソニー木原研究所
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