日立,高周波回路基板向けの低誘電損失絶縁材料を開発
日立は,高周波モジュール基板やプリント基板などに利用できる,誘電損失の低い絶縁材料を開発した.本材料は,熱硬化性の樹脂材料である.ベース樹脂とブレンド用樹脂の選択により,無溶剤化やフィルム化などに対応できる.
10GHzにおけるベース樹脂の誘電率は2.5,誘電正接は0.001である.また,硬化温度は150℃〜180℃と低いため,材料を加工しやすい.一方,現在使われているテフロン材料は,誘電損失には問題がないが,熱膨張係数が大きく,加工しにくい.また,配線の断線が起こりやすいなどの問題もある.本材料は,ベース材料の中央結合基を変えることで,ブレンド材料の構造を制御することができる.そのため,用途にあった樹脂組成が可能であり,配線の断線などの問題は起きないという.
今後,同社はポリマ・ブレンド技術(樹脂材料のブレンド技術)を利用したコーティング樹脂やポッティング樹脂などの開発を進めていく方針である.
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株式会社日立製作所
TEL:0294-52-7508
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