日本IBMとシチズン時計,Linux搭載の腕時計型コンピュータを共同開発
日本アイ・ビー・エムとシチズン時計は,Linux OSを搭載した腕時計型コンピュータ「WatchPad1.5」を共同開発した.この腕時計型コンピュータは製品ではなく,試作機である.両社は腕時計型コンピュータを,PDAや携帯電話を補完する機器と位置づけている.
今回の「WatchPad1.5」は,以前に開発した「WatchPad1.0」をベースとして機能を拡張した.前機種は,メモリなどのCSPパッケージの採用やベア・チップ実装,0603サイズのチップ部品の採用などにより,部品の高さが1.5mm以下になっていたものの,量産を考慮して設計されていなかったという.今回は,量産を意識して設計し直した.実用的なデザインと待機時電力の小さい部品を採用した.また,メモリをCSPタイプからBGAタイプに変更した.チップ部品は1005サイズのものを採用した.さらに,前回は日本アイ・ビー・エムが開発した8層ビルドアップ基板(SLC高密度基板)を採用したが,今回は他の基板メーカの8層ビルドアップ基板を採用した.駆動電圧は2.5〜3.0V,待機電力(時計表示モード)を1.0mW以下(従来の約1/2)としたことで,およそ1日半連続動作するようになった.このほか,指紋センサを内蔵している.製品化の時期は未定.価格はPDAの上位機種なみになるという.
■連絡先
日本アイ・ビー・エム株式会社
TEL:0120-04-1992
シチズン時計株式会社
TEL:0424-66-1232
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