IBM,炭素の単一分子を用いて電圧インバータ回路を開発
 米国IBM社は,カーボン・ナノ・チューブを用いたトランジスタを使って電圧インバータ回路(NOTゲート)を開発した.カーボン・ナノ・チューブは,炭素原子をチューブ状に並べた単一分子である.太さは人間の毛髪の10万分の1.単一分子の論理回路は世界初という.

 従来,カーボン・ナノ・チューブを用いてp型のトランジスタは製作できたが,n型のトランジスタは製作できなかった.同社は,真空中でp型のトランジスタを熱することによってn型に変換する方法を発見した.また,n型のトランジスタは空気にさらすことによってp型に戻すこともできる.

 開発された電圧インバータは入力信号より出力信号のほうが強く,利得は1.6だった.

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日本IBM(株)
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