NEC,ポリシリコン抵抗の絶対誤差が±10%のアナログ・セミカスタムLSIを発売
NECは,ポリシリコン抵抗の絶対誤差が±10%のアナログ・セミカスタムLSI「アナログマスタ?(μPC5700シリーズ)」を発売した.抵抗率が膜厚に依存しないポリシリコン薄膜と,抵抗面積を縮小した電極抵抗を採用した.ベース-エミッタ間の電圧差と抵抗のばらつきが,同社の従来製品の半分になった.
すでに936個の回路素子を搭載した「μPC5701」と3628個を搭載した「μPC5704」の出荷を開始している.価格は仕様によって異なるが,μPC5701を16ピンSSOPに封止し,月3万個購入した場合のチップ単価は100円,開発費は550万円.μPC5704を48ピンQFPに封止した場合のチップ単価は330円,開発費は720万円である.1840個の回路素子を搭載する「μPC5702」と2840個を搭載する「μPC5703」は,2001年9月に発売を予定している.
本LSIは,バイポーラ・トランジスタと抵抗,コンデンサをあらかじめ拡散層に形成したマスタ・ウェハにアルミ配線を形成して製造する.そのため,アナログ・フルカスタムLSIと比べて,開発期間が約1/2になるという.室温でのOPアンプの入力オフセット電圧は平均で±1mV,レギュレータ出力電圧の誤差は平均±2%である.また,トランジスタは同社の従来製品と比べて1.2倍,抵抗素子は2倍多く搭載されている.抵抗素子の面積は従来製品の1/10.
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